エーデルワイスのブローチを失くして、そして見つけてくださったとのこと。

昨年6月に作りお渡ししたエーデルワイスのブローチを気に入って付けてくださってたそうで、それがある日なくなったと、
家の中や職場のロッカーなど、あちこち探しておられると聞いていた。
悔しくて、仕事から明るいうちに帰宅できた日に、今度は自分の歩く道々をゆっくり辿られたとのこと。
失くされて、すでに数日経っていた。

歩道脇の一段下がった草叢に、エーデルワイスがあったと言う。
エーデルワイスは、無事に待っていたそう。
よくぞ見つけてもらえた。

見ると、エーデルワイスを縫い付けた金具ピンの引っ掛かりは、ほんの1mmあるかないか。
これでは、ピンを弾いて飛んでってしまっても無理はない。

修理にしばらくお預かりすることにした。

プローチ台ごと新しいものに付け替えたい。
全ての縫い糸を切って、別の台に縫い付けなくちゃ。

プローチ台にも良し悪しがあるとは、知らなかった。

今度は、慎重に台も選びたい。
購入する編み針の仕上がり、縫製用の縫い糸のメーカーには、気を付けていたけれど。


エーデルワイスのブローチは、とても軽く、柔らかなニットの上に馴染む。
自分がブローチってこと、忘れてんじゃないか。


昨日、出掛けた先で手袋をお預かりしました。

2011年に三越の『北欧展』に合わせて展示販売をさせていただきました。
その時に買って頂いたミトンです。







お直し後。






こんな風に毛糸が薄くなって切れた所に、糸を入れて目を作りました。
仕上げ洗いをしても、生成りの糸は、新しく入れたところがわかっちゃいますね。
こんな風になります。
長く使って頂いてて、うれしい。



ノルウェーはセールブー地方の伝統ミトン。
八芒星にクローバー模様を合わせました。

5本指のもあります。




時々、「展示会しないんですか?」と聞かれることがあります。
2008年から4年間、そして一年跳んで、2013年と、長野と広島で展示会をやらせて頂きました。

最近は、個人オーダーのセーターやカーディガンの製作が続いており、1着仕上がっては納品しています。
オーダーをお受けすれば、手袋や帽子も、もちろんお作りしています。

たくさんの方に直接見て頂く機会から遠のいていますが、オーダーが落ち着いたらまたいつかと思っています。
作りたいものは、たくさんあるんです。

手袋の修理が届きました。
中指の横を傘で挟んでしまったそう。




このくらいの糸切れなら、すぐにお直しできます。



少し白めの毛糸のところが、新しく編み目を入れたところです。
仕上げ洗いをしたら、すっかり新しい毛糸は馴染んでしまうのですが、毎日使う季節です。
仕上げ洗いは春先に任せ、引き続き使って頂きます。


この手袋、もういつお作りしたのか思い出せなません。
もう5〜6年は使って頂いてることでしょう。

自転車通勤のレザー仕様です。
毛糸のままだと、手の平は傷みやすいので。
彼女の手の輪郭をなぞって、厚みを図り、
色を選んで頂き、お作りしました。
ラズベリー色が、彼女のラッキーカラーだと聞いた覚えがあります。

すっかり彼女の手の形になっています。



久しぶりの友達に会えたような、小さなやりとりがうれしいです。

Button Glove+ Suede
col.Sholmit/White+Raspberry
Shetland from Jamieson’s
今日がその持ち主となる方のお誕生日で、きっとご家族から今夜贈られたであろう、 男性LLサイズのカーディガン。
クライアントをお迎えになる事務所でも着られるように、
襟元にタイを締めれば、キチンとした印象も作れるカーディガンを、とのオーダーでした。

色は、Adminal navy、海軍の紺色です。

今日までのサプライズですから、私の服と合わせてみるしか仕様がありません。
持ってる中で一番高かった靴と合わせてみました。







ポケットは縦口です。



パターンを切らず大人っぽく、使いやすいポケットをと考えました。
ボタンは、ジャケットに使うようなメタルボタンの大き目が付いてます。幅広な前立ても、ダブル仕立てにはせず、着やすく仕立てました。



袖口は、ゴム編み長めです。






70才になられる記念のお誕生日です。
いつか着ておられる時にお会い出来ると思います。


ベストのお直しが届いた。
襟ぐりの糸切れが3箇所と、よく使う第4ボタンホールにも。

お直しは、見た時にとにかく手を付けないと本気になれないことは、よくわかっている。
集中しないとできなくて、間を置くと今度は伸び伸びになると、散々反省してきた。

シェットランドヤーンは、ほとんどの色が定番なので、直す糸はすぐに見つかった。



きれいに着てもらっている。



直した後。










小さな傷を早く見つけてもらえてありがたいのは、こんな風にすぐに直せるからだ。

神奈川に住む彼女からの手紙を読んでみると、「昨日このベストを着て、自転車で5分の市民ホールでの矢野顕子のライブに行って来た」とのこと。
「私の嬉しい気持ち、彼女のゆらゆらとした風が染み込んでいるかもしれません」

ピアニストは歌うようにピアノに指が届く。
あっこさんは息をするように歌を歌う。
私もそんな風に編めたらいいけど、まだまだ自分で書いた製図と首っ引きだ。


このベストを制作したノートを手繰ってみると、2002年2月15日から編み始め、2月24日で仕上げている。
製図やパターンを決めて、実質作業を10日間で終えている。
編むスピードが面白くて、まだ何もわかってない速さだ。
どんな編み目が美しく、編み地として身に着けて心地良いのか。
袖ぐりは?留めは?

あの頃、注文をくれた方々には感謝申し上げたい。
注文が途切れず、今に続いている。

ベストを製作した当時、授乳中だった彼女も、今では手強い二人のお嬢さんのお母さんだ。
随分長い間、保留にしてたセーター、仕上げました。



この基本のデザインから、襟の高さ、袖の窄まり具合、着丈、裾のゴム編みの長さ、スリット入りでも、アレンジできます。
色は、ボーダーや切り替えでもお好みで。
その雛形となるセーターです。







前後ろなく着られるので、肘などの傷みも少なく、
擦り切れても全て筒に編んでるので、新しく編み替えができます。
袖口、裾がほつれても然り。

シェットランドヤーンは、ほぼ全ての色が定番として作り続けられています。
なので、何年経っても同じ色で編み変えができます。




首から肩、袖へと続きで編んでるので、腕の動きが妨げられません。
このセーターは、シェットランドヤーンの原毛色Moorit(ライトベージュ)と、Sholmit(ライトグレー)の杢糸で編みました。
染めの入ってない糸は、より柔らかです。

綴じ目なく編んであるのは、胴回りも動きやすく、体に沿ってセーターも動きます。
脇下にマチが入ってるので、袖が細めでも余裕があり、
そして何よりシェットランドヤーンは軽くてしなやか、暖かい。

日々の仕事着として。
例えば英国東海岸で、奥さんの編んだガンジーセーターをコットンのつなぎの下に着る漁師さんのように。

長く着続られて、変わっていくセーターを提案したかったのです。
いつかこのセーターばかりのオーダー会ができたらと。



仕上げ洗いも終わり、今日の天気に助けられた。

夜になり全ての用事を終え、机の前に座る。

いつも使う太めの縫い糸は、30番手のレザー用で、ひとつ付けてみたが、ボタン付けには気に入らない。
自分の道具入れから、ボタン付け糸の95番を手に取り、さらに母の糸箱を物色、94番を見つけるも、毛糸や裏ボタンに比べると若干色が明るい。
もっと濃いのはないかと再度探しに行くと、母の方から出してくれた。

145番、濃紺。
「よく覚えときんさい、145番。お母さん何回使ったか分からん」

はい、わかりました。
覚えてたら何かいいことありますか?
私、食いっぱぐれなくていられるのかな。

指抜きを嵌め、改めて仕事に取り掛かった。

しばらくメンズが続き、胸板や趣、仕立てのことばかり考えていた。
次は小鳥ちゃんのカーディガンだ。
帰って来い、私のガールズ。
かわいいのを作るのだ。


カーディガンの仕上げ、ボタンホールを縢る。(かがるって、変換で「縢る」って出たよ)

パリで日本人唯一のテーラーのメゾンを持つ鈴木健次郎氏は、かつて本場フランスで腕を磨くために望むアトリエへ、自身の完璧なボタンホールステッチのサルプルを見せ、働かせてもらえるようになったという。

ニットにもそんなボタンホールがあるはずと針を運んでいると、
時計が12時を振れた瞬間に、母が部屋から飛び出してきた。

早くお昼が食べたくて、それでも12時になるまで我慢したのだという。

母さん、暇なのか。
仕事は自分で作るものよと、教えたのは誰だっけ。

「鍋を火にかければいいのか?」「ご飯はどこだ」と、容赦ない。
朝、仕掛けたスープは、鍋帽子の中で仕上がっているだろう。

「今、ボタンホールしてるんだけど」と言うと、「ごめんごめん」と誤った。

母が服を作る時、ボタンホールに取り掛かると、手が変わるのを嫌い、全てのホールを一気に仕上げた。
そのために子供の私は、母がボタンホールの糸を寄り始めると、ひっそりと息を潜めたものだ。

だから、母も私が怒る意味はよくわかっている。
時間を考えていなかった私が悪いのだ。
諦めて、お昼にした。



母が縢るボタンホールは美しく、私は家庭用ミシンにボタンホールステッチの機能があることなど、大人になって随分経ってから知った。
『大草原の小さなお家』のローラ・インガルス・ワイルダーは、洋裁の腕を買われ、14才からシャツの縫製で稼いだ。
1時間に、ボタンホールを60数個仕上げそうだ。
母に話すと、「そんなことはあり得ない」と一掃された。
「本当なら相当いい加減なホールのはず」とも。
ニットにおける完璧なボタンホールは、まだわからない。
ステッチの中に芯糸を挟む方べきか、あまり分厚くなってはいけないし、芯になる糸の重なりは作ってある。

今回のボタンはメタルでジャケット使用。
裏ボタンには、光沢のあるイタリアンレザーを使う。

ネームは付けた。
ボタンは明日、仕上げ洗いを終えてから。






80才になられる現役のお医者さまの、今年が記念の年であられるとのこと。
そのベストのオーダーを頂きました。

小柄ながら胸板が厚く、若い頃からたくさん働いてこられたことを感じられます。

広島も数日続いた雨で、すっかり気温が下がりました。
早速着てくださっているそうです。



今回お付けしたボタンは、クラッシックなメタルのもの。
全体の淡い色合いのグラデーションを、引き締める印象となりました。







少し離れた場所での勤務となられ、ベストはお送りしました。

届いた頃にお電話すれば良いものの、先方の時間のご都合を考えたり、感想をお聞きするのが怖く、いつもこちらから電話ができません。
気が気じゃないのに。
「こんな仕事はもうたくさん」と思います。

それでも、着てるの一言をお聞きすると機嫌が直ってしまいます。
おかげさまで、続けている次第です。


目の前に青空が広がってるというのに、机にかじりついて編んでいます。




リブ編みのグラデーションは、身頃と配色が反転します。

片袖ぐりが編め、集中が途切れたので、散歩に出掛けました。
夕方から、もう片袖に取り掛かっています。


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