前回、蜂蜜がなかったので、省いたカステラだった。
風邪も治りかけの頃、やっと蜂蜜を手にして、風邪に使わずカステラに使った。

水飴や蜂蜜を入れるとしっとりとするんだ。
蜂蜜大さじ一杯を豆乳とともに湯煎で柔らかく用意した。

今度は淡々と、ペーパーの準備をした。
大きめの型にペーパーを敷くのは、小さいのより難しい。
継ぎ足さなくちゃならないし、
プロ仕様の大きなのじゃなく、巻かれてるペーパーなのだ。
素人には超えられないいくつかのハードルがある。

後の分量は、前回同様。
しかし今回は蜂蜜入りなので、焼く温度を低めに設定してみた。

全卵で泡立てた生地は、型の7分めまできていた。

低すぎた。温度。火が小さすぎた。
うちのガス台に置く天火オーブンは、予熱はおろか下がる一方、
随分経った途中から温度を少し上げ、2倍の時間で焼いた。
膨らんでいた生地は、球場になった。
焼き上がり、2日置いてみた。
味見。
外野席は香ばしく、内野席からアリーナはしっとり。

明後日の編み物クラブは、カステラ日和のはずだ。
ふんわりならば。

こうして1mmも進ませても積ませてももらえぬ日があることも、四十になって知るのだ。
うまくいった試しなどない3度目へと突入しよう。

さて、クラブでお出しした。
切り分けられた形状に、
「なんですか?これ」「おもしろい味」のとのこと。
「カステラです」と私が言うと、
「ああ〜〜」と、下がり気味の声が返ってきた。
カステラとは、似ても似つかなかったのでだろう。
膨らんで萎んで、しっとりしてて柔らかい。
おばあちゃんの胸のよう。

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